防衛省技術シンポジウム2011 特別セッション「福島第一原子力発電所の赤外線温度計測」

 福島第1原発の赤外線温度計測を行った、航空装備研究所(当時)の外園プロジェクトリーダーによる発表要旨。


■発災時
 ・発災当時は航空装備研究所の本部長。
 ・原子力災害は自衛隊の本来任務としてあるが、技本の仕事は後方だった。


■経過
 3/18 事前準備。計測員市ヶ谷発(電子装備研究所員中心)
 3/19 第一回計測
 3/20 第二回計測
 3/21 原則毎日確認の方針が出る
 3/23 第三回計測
    以降、4/6まで毎日計測。それ以降は2日に一回を4/26まで行った。


■概要
 期間:3/18〜4/29の43日間。
 CH-47飛行回数:26回
 計測員:101名(延べ人数)
 プロジェクト人数:77名(内、本部19名、計測32名、分析12名、飛行7名、他)
 松島基地仙台空港津波で使用不可の為、ヘリのベースを霞目駐屯地に。 
 技本所属のBK117ヘリを岐阜から立川へ移動し、人員輸送。
 霞目駐屯地からCH-47でJヴィレッジへ。Jヴィレッジから飛び、福島第一原発を撮影。
 撮影は南から、4号機→3→2→1号機の順番。
 計測したビデオデータは、JヴィレッジからUH-1Jで市ヶ谷へ持って行き分析。


■撮影条件
 第一回計測は高度1,000フィート(高度300メートル)から撮影。
 第二回以降は高度3,000フィート(900メートル)から。
 基本、一度に5回撮影。
 カメラ:NEC Avio 赤外線サーモグラフィ装置 H2640(メーカーサイト

 実際に撮影に使われたカメラ

 

■安全管理
 γ線中性子線を計測(写真:実際に使われた計測計)

 ヨウ素剤の服用

 計測前後に診断実施。
 第一回の測定では約100μシーベルト被曝(高度を上げた2回以降は微量)。

以上。